3点チャージ投資法とは何か?― 明地文男氏が提唱した逆張り戦略を徹底検証 ―

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3点チャージ投資法の概要

3点チャージ投資法とは、テクニカル指標を3つ同時に満たした局面で売買を行う逆張り型の投資手法です。

提案者は投資家の明地文男氏

オシレーター系指標を組み合わせることで「売られ過ぎ」を多角的に捉え、統計的優位性を狙う手法として知られています。

相場において「一つの指標だけ」で売買判断を行うとダマシが多くなります。しかし複数の指標が同時に極端な数値を示した場合、それは市場参加者の心理が一方向に傾きすぎているサインと考えられます。

つまり3点チャージとは、

  • 価格の行き過ぎ
  • モメンタムの行き過ぎ
  • 出来高の行き過ぎ

この3つを同時に確認することで、反転確率の高い局面のみを抽出する考え方です。

3点チャージ投資法で用いる3つの指標

① 乖離率(移動平均線とのズレ)

乖離率は、株価が移動平均線からどの程度離れているかを示します。

計算式:

例:

  • 終値と26日移動平均の乖離率が -15%以下
    → 株価が平均値から大きく下方に乖離
    → 統計的には反発余地が高い局面

② RSI(Relative Strength Index)

RSIは相場の過熱感を示す代表的なオシレーター指標です。

計算式: RSI = 上昇幅の平均 ÷(上昇幅の平均 + 下落幅の平均)× 100

通常14日が一般的に使用されます。

  • RSI(14)が 25%以下
    → 売られ過ぎ水準
    → 反発確率が高まるゾーン

RSIは「値動きの勢い」を測る指標であり、価格が下落し続けている状態を定量化します。

③ VR(Volume Ratio)

VRは出来高のバランスを示す指標です。

計算式(簡易式): VR = {一定期間の上昇日の出来高合計}{下落日の出来高合計} × 100

  • VR(25)が 30未満
    → 売り圧力が極端に強い状態
    → ただし売りエネルギーが枯渇しつつある可能性

価格だけでなく「出来高」を見る点が、この手法の重要なポイントです。

以上の3点を合わせると、
すなわち①価格の下落+②モメンタム低下+③出来高縮小

これらが重なると、反転の準備段階に入るケースが多くなります。

3点チャージ投資法の売買ルール

■ 買い戦略

以下3条件をすべて満たした翌日の寄り付きで買い。

  1. 終値と25日移動平均の乖離率が -15%以下
    (著書では26日を使用しているが、一般的な25日線を採用)
  2. RSI(14)が 25%以下
  3. VR(25)が 30未満

3つ同時成立が条件です。

■ 売り戦略(手仕舞い)

以下のいずれかで翌日寄り付き決済。

① 乖離率が +15%以上 かつ RSI > 70
② 含み益が 10%以上

利確を早めに設定している点が特徴です。
逆張り戦略は「平均回帰」を狙うため、大きなトレンドは取りにいきません。

バックテスト結果

検証期間:2010/01/04 ~ 2026/02/18

■ 総合成績

  • 総取引回数:17,878回
  • 平均保有期間:133.53日
  • 勝率:83.70%
  • 平均利益:13.56%
  • 平均損失:20.64%
  • 累積損益率:142,795%
  • 期待値:7.99%

勝率が非常に高い点が特徴です。一方で平均損失は平均利益より大きく、損小利大ではなく「勝率型戦略」であることが分かります。

年別成績の特徴

取引回数勝率平均利益平均損失期待値
2026年9640.63%7.63%6.44%-0.73%
2025年92078.80%12.70%14.78%6.88%
2024年120983.62%13.66%17.53%8.55%
2023年89483.45%13.88%22.25%7.90%
2022年101887.52%13.75%20.93%9.42%
2021年126976.28%13.34%23.52%4.59%
2020年187781.89%13.61%16.75%8.11%
2019年83277.88%12.97%24.21%4.75%
2018年164974.29%12.84%24.33%3.29%
2017年65885.11%14.09%27.84%7.84%
2016年116691.34%13.15%17.23%10.51%
2015年117081.03%13.71%20.76%7.17%
2014年88590.06%14.73%21.40%11.14%
2013年64493.48%14.11%26.23%11.48%
2012年101592.32%13.03%16.03%10.80%
2011年120989.08%14.44%20.53%10.62%
2010年136786.91%13.60%21.75%8.97%

2010~2014年は勝率90%前後と非常に安定。
2018年以降はボラティリティ上昇により勝率がやや低下。

特に:

  • 2016年:勝率91.34%、期待値10.51%
  • 2013年:勝率93.48%、期待値11.48%

一方で2026年は現時点でマイナス。

これは逆張り戦略が強いトレンド相場では苦戦する性質を持つためです。

収益分布の分析

収益分析を確認します。

取引毎の収益率取引数
25%以上1031
20%以上 25%未満571
15%以上 20%未満1647
10%以上 15%未満8478
5%以上 10%未満2496
0%以上 5%未満741
-5%以上 0%未満561
-10%以上 -5%未満415
-15%以上 -10%未満384
-20%以上 -15%未満341
-25%以上 -20%未満290
-25%未満923
  • 10~15%利益:8,478回(最多)
  • 25%以上利益:1,031回
  • -25%未満損失:923回

利益は中程度で確定するケースが多く、
損失は大きくなるケースも一定数存在します。

つまり、

✔ 高勝率
✔ 中程度の利幅
✔ まれに大きな損失

という分布構造です。

戦略の強みと弱み

強み

  • 統計的優位性が明確
  • 売られ過ぎ局面のみを狙う合理性
  • システム化しやすい
  • 再現性が高い

弱み

  • トレンド相場に弱い
  • 暴落局面で損失拡大の可能性
  • 平均保有期間が長い(資金拘束)

投資家としてどう活用すべきか

3点チャージは様々な年度でプラスの期待値となりますので、有効なシステムトレード戦略といえます。

一方で昨今のトレンド上昇相場では期待値が低下する可能性があり、注意が必要です。

レンジ相場を確認してから、戦略として取り入れることをお勧めします。

まとめ

3点チャージ投資法は、

「価格」「勢い」「出来高」という
市場の3要素が極端に振れた瞬間を狙う逆張り戦略です。

バックテスト結果からも長期的優位性は確認できます。ただし、相場環境による成績のブレは大きく、資金管理が極めて重要です。特にレンジ相場ではよく機能するようです。

投資で重要なのは「勝率」ではなく「期待値」。
この戦略は期待値7~10%という高水準を維持しています。

統計的優位性を理解した上で、機械的に運用できる投資家にとっては、有力な選択肢となるでしょう。

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