育児には悩みがつきものです。
どの家庭にも共通する悩みもあれば、それぞれの家庭特有の悩みもあります。共通する悩みについては、先輩パパ・ママや保育士、こども園の先生など、多くの経験を積んだ人たちが「実践的なノウハウ」を持っています。
今回は、誰もが一度は悩む育児の問題に対して、具体的な“スゴワザ”で解決策を提示してくれる一冊をご紹介します。
著者情報
『1万2000人の子どもを見てきた園長が教えます! 失敗しない育児のスゴワザ51』

- 著者:祖川泰治
著者は慶應義塾大学卒業後、繊維メーカーで営業職として勤務。34歳のときに父親が創設した「祖川幼児教育センター」を継ぐため帰郷しました。
ゼロから幼児教育を学ぶため、35歳で鳴門教育大学大学院(幼児教育コース)に進学。卒業後は園長として、30年間で延べ1万2000人以上の園児を指導してきました。
幼児教育におけるモットーは、
「楽しみこそが学ぶこと」
子どもは“楽しい”を原動力に成長する――その確信が、本書の随所に表れています。
書籍の構成と内容
本書は、以下の3章で構成されています。
第1章:育児ってこんなにラクになるの!日常生活のスゴワザ
第2章:幼稚園・小学校受験にも使える!簡単レベルアップのスゴワザ
第3章:育児は楽しいが一番!子どもがもっとお母さんを好きになるスゴワザ
章題だけを見ると抽象的に感じるかもしれませんが、内容は非常に具体的です。
第1章|日常生活がスムーズになるテクニック
靴を履かせる方法、おもらし対策、手洗い習慣、食事の悩みなど、日常の小さな困りごとを解決する16のワザが紹介されています。
例えば、
- 靴の後ろにリングをつける
- 食事環境を変えてみる(ベランダ・公園など)
- 手洗い歌を取り入れる
- 寝る前の“儀式”を作る
など、「すぐに試せる工夫」が満載です。
第2章|学習面を伸ばすスゴワザ
ここでは、学習能力や運動能力を伸ばすヒントが紹介されています。
- あいうえお表を楽しく読ませる方法
- 早く走るための体重移動のコツ
- 空間能力を高める視線トレーニング
- 「勉強=楽しい」という言葉づけ
特に印象的なのは、
幼児期に覚えた言葉のイメージは、その後も長く残る
という視点です。「勉強」という言葉をポジティブな意味で定着させる重要性が語られています。
第3章|コミュニケーションと心の育て方
- ほめ方の技術
- 叱り方の工夫
- 兄弟げんかの止め方
- 「買って買って」への対応
- イヤイヤ期への向き合い方
など、親子関係に直結するテーマが扱われています。
特に共感したポイントは、
- 子どもの目を見て話す
- 具体的な言葉で伝える
- 感情的に怒っても伝わらない
- 1日1回は必ずほめる
といった、“原理原則”に基づくアプローチです。
心に残ったフレーズ集(抜粋)
本書のエッセンスを、印象に残ったポイントとしてまとめます。
※原文ではなく、要約・意訳を含みます。
- 食事習慣は幼児期に作られる
- 食べきる経験が自信を育てる
- せかすほど、子どもは動かない
- 自分で選んだことには素直に従う
- 子どもがありがとうを言わないのは、親が言っていないから
- 叱った回数ではなく、叱り方が重要
- やめなさいではなく、何をやめるのか具体的に伝える
- 喧嘩すること自体がよくないと教える
- 3~4歳は「一番」という言葉に敏感
どれも特別な理論ではありません。しかし、実践レベルに落とし込まれている点が本書の強みです。
読後の感想|育児の「引き出し」が増える一冊
本書の面白い点は、育児の悩みに対して“ワンポイントアドバイス”という形で具体的な解決例を提示しているところです。

もちろん、
- まったく効果がなかったワザ
- 実践しなくても自然に解決した悩み
もありました。
しかし一方で、
「これは本当に助かった」
という方法も数多くありました。
結局のところ、最適解は子どもの個性によって異なります。ですが、30年間・1万2000人のデータに基づく引き出しを手に入れられる点は大きな価値です。
一つ合わなかったからといって全否定するのではなく、
「使えるものを選び取る」スタンスが重要だと感じました。
育児は孤独になりがちです。
だからこそ、経験に裏打ちされた具体策を持っておくことは、大きな安心材料になります。
育児の悩みを減らし、笑顔の時間を増やすための一冊として、ぜひ手に取ってみてください。


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