ライバル会社に戦わずして勝つには~競争回避の戦略「参入障壁」を分かりやすく解説

経営学

企業活動をしていれば、必ずライバルが出現します。

たとえニッチな市場に参入していたとしても、儲かるとわかったとたん、競合会社が現れます。

競争状態になった場合、絶え間ない製品開発と広告宣伝費で自社は疲弊します。

また価格競争になればお互いに消耗戦を繰り広げ、市場を縮小させてしまう可能性もあります。

もし競争を回避することができれば、価格を維持することが可能となり、利益は今よりも高くなります。

この記事では競争を回避するための戦略、参入障壁の築き方に関して解説したいと思います。

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参入障壁とは

参入障壁とは、ライバル企業が自社の市場に入ってこれないようにする障壁(バリアー)のことです。

参入障壁が高い場合、ライバル企業は市場に新規に参入することが困難になります。

食品用ラップフィルムの製造を例にして解説しましょう。

サランラップやクレラップなどのブランド名で有名な食品用ラップフィルムは、ポリ塩化ビニリデンというプラスチックが原料になっています。

このポリ塩化ビニリデンは化学合成によって製造しますので、化学品製造の大きな反応装置を必要とします。

すでに成熟産業ですので、反応装置は大規模なものになっています。

従ってライバル企業が新規参入しようと思っていても、コストが合わなくて参入は難しいでしょう。

当然、製造現場には製造のノウハウが蓄積していますので、

新規参入企業はノウハウの取得にも苦労するはずです。

このように新規参入企業が製造設備、ノウハウを獲得して、価格が安定している成熟市場に参入することは難しいのです。

つまり食品用ラップフィルム市場は参入障壁が高い市場と言えます。

参入障壁を築く方法

競争を回避するには、ライバルの参入を防ぐ必要があります。

すなわち参入障壁を築く必要があります。ではどうすれば参入障壁を築くことができるでしょうか。

参入障壁を築く7つの方法に関して解説していきます。

①製造設備を大きくする(規模の経済性)

規模の経済性とは生産規模の増加に伴って、1製品当たりのコストが減少する現象をいいます。

設備が大きくなると、製造単位当たりの収量が増加します。このため人件費など固定費が安くなります。

固定費が安くなると、販売価格も低下していきます。

規模の経済性が働いている場合、新規参入企業はすでにコスト競争力の高い、既存企業と戦う必要があります。

彼らに勝つためには低価格で販売することを強いられることになり、旨みの無い市場となります。

このため新規参入は難しくなります。

②製品差別化

製品差別化とは、品質の高い製品を販売しているということです。

品質の高い製品を製造するためには、優れた技術力を必要とします。

市場で活躍している企業は、その業界を熟知しており、優れた技術力を蓄積しています。

この技術力を超える製品を販売できない限り、新規参入企業は価格で勝負せざるを得ません。

このような市場の場合、高い技術力を超える必要があり、技術力が参入障壁となります。

③巨額の投資

新規参入に巨額の投資が必要な場合は、その業界そのものが参入障壁を築いていると言えます。

例えば、前述した食品用ラップフィルムなど巨大な製造設備を必要とする市場が該当します。

製造設備だけではなく、巨大な流通網、ブランド、人的資源、業界のノウハウなども参入障壁になります。

製薬業界にアパレルメーカーが参入する場合、薬事法に精通する人材を確保する必要があります。

人材を揃えるだけでも巨額の投資が必要になるでしょう。

④流通チャネル

流通チャネルの構築には信頼と時間がかかります。

適切な流通チャネルを持たない企業は売ることさえできません。

⑤独占的な製品技術

特許などの知的財産権で守られていれば、他社の侵入を防ぐことができます。

法律そのものが参入障壁となります。

⑥経験曲線効果

経験曲線効果とは累積生産量が増加するに従ってコストが低くなるという経験則を言います。

累積生産量が増加するにしたがって、社内にノウハウが蓄積されます。

この経験豊かな現場はなかなか作れるものではありません。

長期にわたるカイゼンによってノウハウが得られるのです。

市場がノウハウを必要とする業界だった場合(特に素材産業でしょうか)、

参入障壁は高い市場と言えます。

⑦政府の政策

政府が規制をかけている業界へはそもそも入れません。

例えば医学部の新設には大きな規制が敷かれています。

医者の人数は政策によって制御されていますので、

医学部を新設しようにも、政府の規制によって参入する事すらできません。

戦わずして勝つには参入障壁を築くこと

孫氏曰く

「百戦百勝は、善の善なる者に非るなり。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり」

100回戦って100回勝つ方法は最善の策ではなく、戦わずして勝ことこそ最善の策なのだ

戦えば疲弊していきます。その間、別の競争企業がその間隙を縫って御社を出し抜こうとするでしょう。

兵(資本)を疲弊させずに勝つには戦わずして勝つ、すなわち参入障壁を築くことが最良の策なのです。

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