タートルトレーディング完全解説|55日ブレイクとATR資金管理の本質

投資

システムトレードの歴史において、最も有名な実験の一つが「タートルトレーディング」です。

この戦略は1980年代、
リチャード・デニス と
ウィリアム・エックハート
によって生み出されました。

「優秀なトレーダーは生まれつきか、それとも育成できるのか?」

この問いを証明するために行われたのが“タートル実験”です。未経験者にルールを教え、機械的に売買させた結果、彼らは数年で巨額の利益を上げました。

その中心にあったのが、ブレイクアウトATRによる資金管理を組み合わせたトレンドフォロー戦略です。

本記事では、タートルトレーディングの理論と具体的ルール、そして日本株への応用方法までを体系的に解説します。

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タートル戦略の基本構造

タートル戦略は、次の4要素で構成されています。

  1. ブレイクアウトでエントリー
  2. ATRでリスク管理
  3. ポジションサイズの一定化
  4. トレンド崩壊で手仕舞い

実はトレード方法は驚くほどシンプルです。

エントリー:55日ブレイク

ルールは以下です。

・55日高値を終値でブレイク → 買いで参入
・55日安値を終値でブレイク → 売りで参入

なぜ55日なのか?

短すぎるとダマシが増え、長すぎると初動を逃す。
複数年検証の結果、バランスの取れた期間が55日だったと言われています。

この戦略の前提は非常に明快です。

「価格が過去一定期間のレンジを抜けたら、トレンドが発生する可能性が高い」

予測ではなく“追随”=トレンドフォローです。

損切り:ATRによる2Nルール

タートル戦略の核心はここにあります。

タートルでは、

1N = 20日ATR
初期ストップ = 2N

と定義します。

例えばATRが100円なら、200円逆行で損切りです。

重要なのは、価格固定ではなく「ボラティリティ基準」で損失を管理する点です。

・値動きの激しい銘柄 → 広めのストップ
・値動きの小さい銘柄 → 狭めのストップ

市場の性質に合わせて自動調整されます。

ポジションサイズ:資金の1%ルール

本家タートルでは、1回のトレードの最大損失を資金の1%以内に制限しました。

計算式は以下です。

株数 =(総資金 × 1%)÷(2 × ATR)

これにより、

・どの銘柄を買っても
・どのボラティリティでも

リスクが常に一定になります。

勝率ではなく「期待値とリスク制御」で勝つ戦略なのです。

ピラミッディング:勝っている時だけ増やす

価格が利益方向に0.5N進むごとに追加エントリーし、最大4ユニットまで増やします。

ここが一般的な投資家との決定的違いです。

・負けている時は増やさない
・勝っている時だけ増やす

ナンピンは一切しません。

資金を「正しい方向」に集中させる設計です。

手仕舞い:20日安値割れ

ロングの場合、

20日安値を割れたら全決済。(過去20日の中で最も安値になった瞬間)

利確目標はありません。

「利益は相場に任せる」という思想です。

これにより、大相場で資産が大きく伸びます。

タートル戦略のパフォーマンス

典型的な特徴は以下です。

・勝率:30〜45%
・連敗が頻発
・トレンド相場で爆発的利益
・レンジ相場でじわじわ損失

実は勝率は30~45%と言われており、決して高くありません。

むしろ負けるほうが多い戦略ですので、、精神的に非常にきつい戦略です。

しかし長期で見ると、トレンドは必ず発生し、勝つ場合は多くの利益を獲得することができます。

つまり勝率ではなく、期待値として正になるため儲かるという戦略なのです。

日本株への応用

日本株はレンジ相場が多く、米国先物ほどトレンドが継続しません。

そのため、以下の改良が有効です。

■ 出来高増加銘柄に限定
■ 中長期移動平均線が上向きの銘柄のみ
■ 流動性の高い銘柄に限定
■ 低位株を除外

最適値は市場環境によって変化するため、必ず長期検証が必要です。

タートル戦略の本質

この戦略の本質はテクニカル手法ではありません。

リスク管理の徹底

これに尽きます。

ブレイクアウトは単なるトリガーです。

勝敗を決めるのは、

・資金配分
・損失の限定
・ルール遵守

この3つです。

まとめ

タートルトレーディングとは、

ブレイクアウト × ATR × 資金一定化(リスク一定化)

という合理的な資金管理戦略です。

一方で高勝率を目指す戦略ではありません。

小さく負けて、大きく勝つ。

そして、それを機械的に繰り返す。

この思想に共感できるなら、タートル戦略は強力な武器になります。

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