はじめに
「うちの子、なかなか勉強しない……」
「毎日『勉強しなさい』と言っているのに逆効果かもしれない……」
そんな悩みを持つ親は少なくありません。実際、子どもに勉強習慣を身につけさせるのは、多くの家庭にとって大きなテーマです。
今回ご紹介するのは、**高濱正伸さん著『わが子に勉強ぐせをつける親の習慣37』**です。

本書は、「どうすれば子どもが自ら学ぶようになるのか?」という問いに対して、単なる勉強法ではなく、親の関わり方・声かけ・家庭環境という本質的な視点から答えてくれる一冊です。
この記事では、本書の重要ポイントをもとに、
- 子どもが勉強嫌いになる親のNG習慣
- 勉強ぐせがつく親の声かけ
- 自立と規律を育てる家庭のルール
- 今日から実践できる具体策
を、育児ブログとしてわかりやすく整理して解説します。
本書の結論|勉強ぐせは「勉強法」ではなく「親の習慣」で決まる
この本を読んでまず感じるのは、子どもは本来、勉強そのものが好きなわけではないという現実です。
だからこそ大切なのは、
「やる気を無理に引き出すこと」ではなく、「自然に続く環境をつくること」。
つまり、子どもの勉強習慣は、教材の良し悪しよりも、
- 親の言葉づかい
- 叱り方
- 褒め方
- 家庭の空気
- 毎日の生活リズム
といった、親の習慣そのものに強く左右されるということです。
1. 子どもを勉強嫌いにする親のNG習慣
小言は逆効果。「勉強しなさい」はモチベーションを下げる
子ども自身も、「勉強しなければいけない」ことは頭ではわかっています。
しかし、そこに親の小言が重なると、勉強そのものよりも**“言われる不快感”**が先に立ち、やる気を失ってしまいます。
特に低学年の子どもは「今」がすべて。
「これ言ったの3回目だよね?」という言葉は通じにくく、むしろ逆効果です。
同じことでも、感情的にならずに淡々と伝え続ける。
これは地味ですが、非常に大切な姿勢です。
他人との比較は百害あって一利なし
「○○ちゃんはできるのに」
「お兄ちゃんはもっとちゃんとしてた」
こうした比較は、子どもにとって能力の問題ではなく、愛情の差として受け取られがちです。
「自分は認められていない」と感じると、学ぶ意欲は大きく損なわれます。
兄弟間でも、叱り方や評価に差がありすぎると、比較された感覚が生まれます。
子どもは他人ではなく、昨日の自分と比べることが重要です。
「苦手」「向いてない」のレッテル貼りは危険
親が何気なく言った一言は、子どもの自己認識を形づくります。
- 「この子は算数が苦手」
- 「うちの子は集中力がない」
- 「本を読むタイプじゃない」
こうしたレッテルは、子どもの中で「自分はそういう人間なんだ」と固定化されやすいものです。
親の言葉は、励ましにも呪いにもなります。
2. 勉強ぐせをつける親の声かけ|褒め方・叱り方の基本
褒める目的は「自信」を育てること
本書で印象的なのは、学習意欲の高い子どもは、母親が褒め上手であることが多いという点です。
ただし、褒める目的は「気分をよくさせること」ではありません。
本質は、小さな成功体験を積ませて、自己肯定感を育てることです。
たとえば、
- 10分座れた
- 昨日より字が丁寧だった
- わからない問題を最後まで考えた
- 自分から机に向かった
こうした小さな変化を見逃さずに褒めることで、
子どもは「自分はできるかもしれない」と感じ始めます。
叱るなら「厳しく、短く、後引かず」
叱ること自体が悪いわけではありません。
むしろ、見逃しすぎると「できない言い訳をする習慣」が身につくこともあります。
大切なのは叱り方です。
本書のポイントは、
- 厳しく
- 短く
- 後を引かない
という3原則。
しかも、叱る対象は**“今の過ちだけ”**。
過去の失敗を蒸し返さないことが重要です。
叱る目的は、感情をぶつけることではなく、
子どもに「どうすればよかったか」を考えさせることです。
3. 「答えを教えない」ことが、考える力を育てる
勉強は○×ではなく、考えるプロセスが大事
子どもが問題を間違えたとき、多くの親はすぐに正解を教えたくなります。
しかし本書では、間違えた瞬間こそ、思考力を育てる最大のチャンスだと説かれています。
重要なのは、
- なぜ間違えたのか
- どこで考えが止まったのか
- どんな発想をしていたのか
を一緒に確認すること。
「正解したかどうか」ではなく、
“どう考えたか”に注目する家庭ほど、思考力が育ちやすいのです。
ひらめく喜びを奪わない
子どもが自分で「わかった!」と感じる瞬間は、学びの原動力です。
だからこそ、親は答えを先回りして教えるのではなく、ヒントを出して気づかせる役割に徹するべきです。
「わからないことは悪いことじゃない」
このメッセージを何度でも伝えることが、勉強嫌いを防ぎます。
4. 勉強好きの土台は、日常習慣と家庭環境で決まる
勉強は“やる気”より“型”が先
勉強が好きで、最初から進んでやる子はほとんどいません。
だから必要なのは、やる気を待つことではなく、型をつくることです。
たとえば、
- 毎日10分でも必ず机に向かう
- 長期休暇の勉強は午前中(遅くとも9時まで)に始める
- 時間を区切って取り組む
- 漢字練習は毎日続ける
こうした「当たり前」を作ることで、
やらないと気持ち悪いというレベルまで習慣化できます。
生活習慣と規律が、学力の土台になる
本書は、勉強だけでなく生活態度の重要性も繰り返し強調しています。
- 姿勢を正す
- テキパキ動く
- 早く歩く
- 外遊びをする
- お手伝いをする
一見すると勉強と関係なさそうですが、こうした日常の積み重ねが、
- 集中力
- 自立性
- 協調性
- 試行錯誤力
- 規律性
につながり、結果的に学力の伸びにも直結します。
5. 語彙力・感性・思考力は「親子の会話」で育つ
子どもの「なぜ?」を学びの入口にする
本書で特に共感したのは、
**「疑問こそ学問の原点」**という考え方です。
子どもが「なんで?」「どうして?」と聞いてきたとき、
忙しいとつい適当に流してしまいがちです。
でも、本当はその瞬間こそが、
勉強を好きにさせる最大のチャンス。
すぐに答えられなくても大丈夫です。
- 「いい質問だね」
- 「それ面白いね」
- 「あとで一緒に調べようか」
この一言だけでも、子どもは
**「疑問を持つことは価値がある」**と学びます。
親の言葉づかいが、子どもの語彙力をつくる
親が日常でどんな言葉を使うかは、子どもの語彙力や感受性に直結します。
- 感動したことを言葉にする
- 日常の小さな発見を話す
- 本を読む姿を見せる
- 辞書を引く習慣を見せる
こうした家庭では、「わからないまま放置するのが気持ち悪い」という感覚が育ちます。
この感覚こそ、学習態度の根幹です。
6. 高学年・思春期は「親が引く勇気」も必要
10歳を過ぎたら、少しずつ距離を置く
高学年になると、子どもは親を“絶対的な存在”ではなく、ひとりの大人として見るようになります。
この時期に、幼い頃と同じように細かく口を出し続けると、反発が強くなりやすいです。
本書では、10歳を過ぎたら外の師匠の力を借りることも勧めています。
- 先生
- 塾の講師
- スポーツのコーチ
- 親戚の年上の子
- 尊敬できる大人
思春期には、親以外のロールモデルが成長を後押しします。
親は少しずつ関与を減らし、“支える側”に回ることが大切です。
7. この本から学んだ、親が今日からできる3つの実践
最後に、本書を読んで特に実践価値が高いと感じたポイントを3つに絞るなら、以下です。
① 毎日10分の「勉強の型」を作る
やる気を待たず、まずは短時間でも机に向かう習慣を固定する。
② 「正解」より「考え方」を褒める
間違いを責めるのではなく、考えた過程に注目する。
③ 1日5分でも親子で会話する
学校のこと、気になったこと、なぜ?と思ったことを話す時間を持つ。
この3つだけでも、家庭の空気は大きく変わります。
まとめ|勉強ぐせは、親の“日々のふるまい”から生まれる
『わが子に勉強ぐせをつける親の習慣37』は、
単なる受験テクニック本ではありません。

本書が教えてくれるのは、
子どもを変えようとする前に、親の関わり方を整えることの大切さです。
- 小言より、淡々とした継続
- 比較より、昨日のわが子を見る視点
- 正解より、考えるプロセス
- やる気より、習慣の型
- 管理より、安心できる家庭の空気
勉強ぐせは、一夜で身につくものではありません。
しかし、親の言葉や家庭の習慣が変われば、子どもの学び方は確実に変わっていきます。
育児に正解はありませんが、
**「親の習慣が、子どもの未来をつくる」**という視点は、すべての家庭に役立つはずです。



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